「ダンスを始めると自分は生活は人生はどう変わるのか?」という、まさに、皆さんが知りたい【大人が未経験からダンスを始めたら一体どうなるの?】という疑問を形にした段心具シティ子の物語。【 燃え尽きシティ子現る。】を収録

『18. 燃え尽きシティ子現る。』|段心具シティ子の1年物語

シティ子はじめに

 

 

18. 燃え尽きシティ子現る。

 

 

 

 

緊張と感動と笑いの発表会

が終了し一夜が明けた。

 

 

 

 

 

「か、体が筋肉痛です…。」

 

 

 

 

 

発表会で思い切り

踊り切った事による

筋肉痛がシティ子を襲った。

 

 

 

 

 

「こ、この筋肉痛は私が

 頑張った証と考えよう…。」

 

 

 

 

 

重い体を引きずり

シティ子は朝食を

食べる準備をしていた。

 

 

家にかろうじて食パンが

1枚残っていた。

 

 

 

食パンをトーストし

ホットコーヒーを

用意した。

 

 

 

 

 

「発表会、終わっちゃったな…」

 

 

 

 

 

ボソッとシティ子は呟いた。

 

 

 

 

そういえば、

今、何時だったかを

確かめてみると

 

 

 

 

「えぇ!!!!もうこんな時間!!!」

 

 

 

 

時計の針は13時15分を

指していた。

 

 

 

(有給万歳!!ありがとう有給!!!)

 

 

 

そんな馬鹿な事を

心でささやいた。

 

 

シティ子物語

 

 

食事が終わり

少し休憩してから

入浴しようと考えていた。

 

 

 

 

ゴロンっと横になり

天井を見ていたシティ子。

 

 

 

 

(発表会終わっちゃったんだ…

 昨日は本当に楽しかったな…。)

 

 

 

 

空しさが心を包んで

シティ子はその場から

動こうとはしなかった。

 

 

ようやく起き上がり

入浴した。

 

 

 

 

 

(なんか燃え尽きちゃった…。

 高校時代にバスケ部を

 卒業した時もこんな気持ちに

 なったような気がするなぁ。)

 

 

 

 

 

(なんか今日は何にも

 やる気が起きないなぁ…。)

 

 

 

 

 

お風呂から上がって

ジュースを飲んでいた。

 

 

 

そういえば、

 

今日は全く携帯を

チェックしていない事に

シティ子は気がついた。

 

 

 

 

 

「なんか通知が凄いんですが!!!」

 

 

 

 

 

 

驚くほどLINE通知が

来ていた。

 

 

シティ子物語

 

 

携帯を開き

LINEを見てみると

 

 

クラスのグループLINEと

高校の友達・家族から

LINEが来ていた。

 

 

 

 

家族と友達からは

昨日のダンスの感想が

送られてきていた。

 

 

 

 

友「シティ子のダンス最高だった!」

 

 

 

友「すごく良い顔で踊ってて

 見てて羨ましかったよ!」

 

 

 

友「私もサックス頑張ろう!って

 改めて思えた!ありがとう!」

 

 

 

友「今日は、ゆっくり体を

 休ませるんだよー!」

 

 

 

 

友達のLINEを見てると

何故だか携帯の画面が

にじんで揺れていた。

 

 

 

 

 

(また、私泣いてますやん!)

 

 

 

 

 

家族からも驚きと

感動したという内容の

LINEが送られていた。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

一番通知が多かった

クラスグループLINEを

開いてみた。

 

 

 

 

 

「あ!これ!昨日の!!!!」

 

 

 

 

 

そこには、

 

 

メンバーひとりひとりの

お疲れさまの言葉と

ありがとうの言葉と共に

 

 

 

発表会の控え室で

メンバーと一緒に

撮影した写真。

 

 

 

違うクラスの子と

一緒に撮影した写真。

 

 

 

先生と撮影した写真。

 

 

 

作品を踊り終わって

すぐの、みんなが

赤い目をした写真。

 

 

 

会場を後にする前に

撮影した写真。

 

 

 

打ち上げで

撮影した写真。

 

 

 

打ち上げ会場で

先生に寄せ書きを

渡す瞬間の写真。

 

 

 

寄せ書きを見て

涙する先生の写真。

 

 

 

昨日の思い出が

いっぱいいっぱい

詰まっていた。

 

 

シティ子物語

 

 

 

(もう~!こんなん泣くに

 決まってるだろぁ~!!

 まさか、今日もこんなに

 泣かされるなんて!!(涙) )

 

 

 

 

 

シティ子は泣きながら

幸せに包まれていた。

 

 

 

 

大人になってから

こうやって嬉し泣き

できる瞬間がある事。

 

 

 

【素敵な思い出】

が、自分にできた事。

 

 

【素敵な仲間】

が、周りにいる事。

 

 

 

 

 

(ダンス最高!!発表会最高!!!)

 

 

 

 

 

結局、その日は

家から1歩も外に出ず

引きこもっていた。

 

 

 

 

 

 

次の日から、

いつもと同じ時間が

流れ始めた。

 

 

 

以前と違うのは、

 

 

発表会の練習が終わり

通常のレッスンに

戻った事ぐらいだった。

 

 

 

 

 

発表会が終了してから

最初のレッスンは

参加したのだが

 

 

 

その後は、何故か

ダンスに足が向かず

少し休んでいた。

 

 

シティ子物語

 

 

(う~ん、なぜかやる気が…)

 

 

 

 

そう、シティ子は

燃え尽きていたのだ。

 

大きなイベントを終えて

目標を見失っていた。

 

 

 

 

(ちょっと休憩するかぁ。)

 

 

 

そんな燃え尽きシティ子に

衝撃的な連絡が!!!

 

 

 

 

それは、

 

 

グループLINEに

ポンッと画像付きで

一言添えられていた。

 

 

 

 

先「発表会のDVDが!

 完成したようですよ!」

 

 

 

 

(な、なにー!!!! なんだとー!!!

 発表会のDVDが完成しただと!

 めっちゃ興味ありますー!)

 

 

 

 

 

発表会DVD完成の連絡は

燃え尽きシティ子が

重い腰を上げるのに

とても良い材料になった。

 

 

 

 

 

 

シティ子物語

↑『シティ子愕然し、そして燃える!』
に続く。

 

 

 

 

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