「ダンスを始めると自分は生活は人生はどう変わるのか?」という、まさに、皆さんが知りたい【大人が未経験からダンスを始めたら一体どうなるの?】という疑問を形にした段心具シティ子の物語。【涙の発表会ラス練!】を収録

『14. 涙の発表会ラス練!』|段心具シティ子の1年物語

シティ子はじめに

 

 

14. 涙の発表会ラス練!

 

 

 

その日、シティ子は

久しぶりに高校の友達と

会う約束をしていた。

 

 

 

 

友「シティ子久しぶり!」

 

 

 

 

シ「時間作ってもらって

 本当にごめんね。」

 

 

 

 

友「こっちこそ、あんまり

 時間取れずで申し訳ない。」

 

 

 

 

シ「はい!これがチケットです!」

 

 

 

 

友「おー!ありがとうね!

 シティ子が踊ってるところ

 実際に観れるのが楽しみ!」

 

 

 

 

シ「絶対に期待しないでね!

 期待にするなよ!するなよ!」

 

 

 

 

友「分かった分かった(笑)

 期待しとくよ!!!」

 

 

 

 

シ「冗談は置いといて

 あと1回で練習も終わりで

 緊張はマックスだからね。」

 

 

 

 

友「高校の時もシティ子は

 試合で活躍してたんだし

 本番に強いタイプでしょ!」

 

 

 

 

シ「そうであってほしい(笑)

 じゃあ、本番でね!」

 

 

 

 

友「うん。頑張ってね!」

 

 

 

 

 

友達にチケットを渡すと

シティ子は最後の発表会の

練習へと向かった。

 

 

 

シティ子物語

 

 

 

(いよいよ今日でラスト…

 悔いのないように

 練習しないと!)

 

 

 

 

その日は、みんなの

緊張が伝わって

 

シティ子の緊張も

マックスを越えていた。

 

 

 

 

 

先「今日で練習も最後。

 時間がある限り踊って

 踊り切りましょう!」

 

 

 

 

 

 

先生の掛け声と共に

練習は始まった。

 

 

 

作品の中でシティ子は

どうしても上手くいかない

苦手な所があった。

 

 

今日が最後だと思うと

その箇所の難易度が

さらに、増していた。

 

 

 

 

 

(今日でラストやのに

 今日もウマくいかん(汗)

 本番ヤバすぎでしょ…。)

 

 

 

 

 

 

 

 

ラストの練習は

先生が言ったように

何度も何度も踊った。

 

 

 

 

 

 

 

今日でこのメンバーと

この振付け・作品を

 

こうやってレッスン室で

踊るのは最後だと思うと

シティ子は寂しくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

(この時間がもう少し

 もう少し続いてほしい。)

 

 

 

 

 

 

 

そう感じていた。

 

 

 

 

あっという間の90分だった。

 

あっという間の最後だった。

 

あっという間の道のりだった。

 

 

 

 

 

 

 

(終わった。終わっちゃった…。

 後は、本番しかないのね。)

 

 

 

シティ子物語

 

 

 

ラスト練習が終わり

シティ子はそんな思いに

ふけっていた。

 

 

 

 

 

先「みんなお疲れ様でした。

 今まで、本当に頑張ったね。」

 

 

 

 

先生がラストという事で

みんなに伝えたいことを

伝えようとしていた。

 

 

 

 

 

 

先「今回の作品は前回と比べて

 難易度は上ってました。

 

 最初は、正直どうなるかと

 思ってたんだけど。」

 

 

 

 

 

先「練習回数を重ねて

 作品が進むにつれて

 

 みんなの表情が大きく

 変わっていくのを

 感じました。」

 

 

 

 

 

先「私はずっと見てきたから

 全部分かってる。

 

 各々苦手な部分があって

 苦労している事。」

 

 

 

 

 

 

レッスン室はシーンと

静まり返り先生の声だけが

こだましていた。

 

 

 

そして、

 

 

 

誰もが先生の言葉を

心で受け止めいた。

 

 

 

 

 

先「今日、ラストの練習を

 見せてもらったけど

 本当に、よく頑張ったね。」

 

 

 

先「このメンバーでこの作品を

 踊れて私は嬉しかったよ!

 みんなありがとうね!」

 

 

 

 

 

 

それから、先生は

一人づつに対して声を

かけていった。

 

 

 

 

 

 

先「シティ子ちゃん!

 まだ、ダンス始めて

 期間は浅かったのに

 頑張ってくれたね。」

 

 

 

 

 

先「シティ子ちゃんが

 発表会の練習を通して

 すごく成長してたのが

 私は嬉しかった。」

 

 

 

 

 

先「発表会の本番は

 今日以上に思い切り

 思い切り踊ってね。」

 

 

 

 

 

シ「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

先生の目には

きらりと光るものがあった。

 

 

 

シティ子の目にも

きらりと光るものが溢れ

流れていた。

 

 

 

他のメンバーの目にも

やはり同じように

きらりと光るものが

溢れていた。

 

 

 

シティ子物語

 

 

 

先生の言葉が終わると

 

レッスン室には

鼻をすする音だけが

響いていた。

 

 

 

 

 

(だめだ!これは明日

 目が腫れるやつだ!)

 

 

 

 

 

最後に、レッスン室で

全員で記念撮影をした。

 

 

 

 

 

(みんな目が赤いし!

 でも、すごく良い写真。)

 

 

 

 

 

この写真は今でも

シティ子の宝物の一つ

になっています。

 

 

 

 

 

 

本番の日が近くなり

シティ子は本番の日の

スケジュールを

見直していた。

 

 

 

フロントでもらった

【本番の日のしおり】

のページをめくる毎に

 

緊張の度合いも少しずつ

増していった。

 

 

 

 

【本番の日のしおり】

の全てに目を通し終えて

自分の胸に手を当てた。

 

 

 

 

 

(発表会の練習も終了し

 できることは全てやった。)

 

 

 

 

シティ子はそう感じていた。

 

 

 

 

 

さぁ、いよいよ!

残すは発表会本番のみ!

 

 

 

 

(あとは、悔いのないように

 本番を思い切り楽しもう!)

 

 

 

 

そう、心に決めた

シティ子だったのです。

 

 

 

 

 

 

シティ子物語

↑『緊張と感動と笑いの本番!(前編)』に続く。

 

 

 

 

 

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