『8. ダンスの障害、現る。』｜段心具シティ子の1年物語

8. ダンスの障害、現る。

今年も、セミの鳴き声が

耳をつんざくような季節。

8月がやってきた。

シティ子にとって

否、シティ子と同じ会社の

人間にとって

あまり好ましくない時期が

やってきたのであった。

そう、繁忙期である。

シティ子の会社は8月が

繁忙期となっており

通常の倍以上に忙しさが

増すのであった。

この時期になると

毎日、残業は当り前。

誰もが遅くまで会社に残り

早く帰る人間は皆無の

状況になるのであった。

仕事は中々、片付かず

平日は帰って寝るだけで

終わってしまい

週末もぐったりと

寝ているだけの日が

続く時期であった。

それが、今年もやってきた。

だが、

今年のシティ子は

例年のシティ子ではなかった。

【ダンスがあるのだ！】

ダンスに行くために

レッスン日だけは

是が非でも残業せずに帰りたい。

そのために、

毎日遅くまで残って

仕事を片付けていたのだが…。

今年の状況は

例年の比ではなかった…。

次から次へと

仕事が降り注いでくるのだ。

さすがに、この状況では

毎日を頑張ったとしても

『ダンスには行けなかった…』

（まぁ、今週は無理でも

　来週は行ってやる!!!!）

そんな隠れた野望を

シティ子は抱いていた。

しかし、

繁忙期は体力的にも

きつかった。

例年と同じように

週末は動きもせず

グダグダするだけで

終わってしまっていた。

それに相まって

【今年は酷暑が続いていた】

今週こそは！と

抱いていた野望も

いとも簡単に打ち砕かれて

ダンスに行くことは

できなかった。

（ダンスできないことが

　こんなにも辛いなんて…）

恋人に会えないぐらい

ダンスに対する恋しさが

募っていたのであった。

※社会人の方にとって

ダンスの障害となるのは

やはり、仕事関係です。

仕事が忙しくなると

急に来れなくなる。

この問題は、

どうしようもないし

解決法も見つからず

ただ時間だけが寂しく

過ぎていって

しまうんですよね…。

そして、

ダンスしない日々が

続いてしまうと…。

シティ子も気がつけば

8月は１回もダンスに

行くことはなかった。

行きたい気持ちは

もちろんあったけれど

早く帰れそうな日でも

毎日の酷暑にもやられて

体力が無くなっていた。

ダンスで充実していた日が

ダンスが全くない日に

変わってしまっていた。

ダンスから切り離されて

シティ子の気持ちも深く

落ち込んでいた。

ダンスのない1週間は

それはそれは長かった…。

さらに、

ダンスのない１ヶ月は

1年のように感じていた…。

気持ちの落ち込みが

体にまで表れたのか

夏風邪も引いてしまい

まさにボロボロになっていた。

（あぁ、もうしんどい…

　全然、毎日楽しくないし…

　こんな状況、いつまで…）

38度近い熱がある状況で

そんな事が頭をよぎっていた。

なんとか8月が終わり

繁忙期も少しずつ

終わりが近づいていた。

その矢先であった！

シティ子にとって

衝撃的な出来事が!!!!

職場の同僚がいきなり

2人退職することに…。

しかも、シティ子と

同じ部署の人員が

減ってしまうのだった。

（もぉーーー!!!!どうして!!

　なんでこうなるのーー!!!

　ダンス行きたいのにー!!!）

いきなり人員が2人減り

シティ子の仕事が増える事は

もう、確実であった。

9月からは絶対に

ダンスに行ってやる！

と、今朝決意したばかり

であったのに．．．

その決意はいとも簡単に

折られてしまうのであった。

↑『気づけばNOダンス!!の日々』
に続く。

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