「ダンスを始めると自分は生活は人生はどう変わるのか?」という、まさに、皆さんが知りたい【大人が未経験からダンスを始めたら一体どうなるの?】という疑問を形にした段心具シティ子の物語。【 緊張と感動と笑いの発表会!(後編)】を収録

『17. 緊張と感動と笑いの発表会!(後編)』|段心具シティ子の1年物語

シティ子はじめに

 

 

17. 緊張と感動と笑いの発表会!
(後編)

 

 

 

 

会場には司会者の声が

響き渡っていた。

 

 

それは、発表会が

始まったことを

意味していた。

 

 

 

 

 

(私の発表会が始まった。)

 

 

 

 

 

最初から、他の作品を

見たい気持ちは

あったのだが

 

 

リハーサルの時以上に

気持ちの余裕が

なくなるだろうと

感じていたのと

 

 

自分の作品に気持ちを

集中しようと決めていた。

 

 

 

 

 

(あと、1回しか踊れないから

 最後まで気を抜かずに

 復習しておこう!)

 

 

 

 

 

みんな同じように

自分の出番を待ちながら

振付けの復習をしていた。

 

 

 

 

 

 

最初の先生作品が終わり

各クラス作品に舞台上は

移っていった。

 

 

 

 

(ここから自分の出番まで

 あっという間だろうな…。)

 

 

 

 

そう思うとシティ子は

目をつぶり集中力を

高めようとしていた。

 

 

シティ子物語

 

 

(なんか懐かしいなぁ。

 こうして、目をつぶって

 集中するのなんて

 高校の試合前以来かなぁ。)

 

 

 

 

 

自分自身を安心させる

声かけと自信を持たせる

声かけを行っていた。

 

 

 

 

 

気持ちの準備が整った。

 

 

 

 

 

メ「シティ子ちゃん

 待機場所に行こうか!」

 

 

 

シ「はい!行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

短い言葉のやり取りの後

みんなで待機場所に

移動した。

 

 

 

 

 

待機場所では先生が

笑顔でみんなを

出迎えてくれた。

 

 

 

 

 

先「いよいよ本番だね!

 集中して思い切りね!」

 

 

 

 

 

 

その先生の言葉には

今までやってきた事の

 

全てが詰まっている

ように感じた。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

それ以上、

何も言葉は必要なかった。

 

 

 

 

 

舞台上の音楽が終わり

お客さんの拍手が

シティ子の耳に入った。

 

 

 

 

先「舞台そでに!」

 

 

 

 

 

いよいよ、この次が

シティ子の出番だ。

 

 

一つ前のクラスが

舞台で踊る姿を見ながら

シティ子はテンションを

徐々に上げていった。

 

 

 

 

自分が舞台で踊るイメージも

創り上げていた。

 

 

 

 

 

そこには、

誰の言葉も存在しなかった。

 

 

 

 

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

 

 

シティ子物語

 

 

気がつくと前の作品が

終わりシティ子の出番が

ついに、やってきた。

 

 

 

 

 

 

誰もが無言で自分の

立ち位置に素早く移動した。

 

 

 

最初の立ち位置につき

ふとお客さんの方に

目を向けた。

 

 

 

 

 

(暗くてあまり見えないけど

 みんなに観られてる。)

 

 

 

 

 

曲が始まるまでの静寂が

とても長く感じた。

 

 

 

 

 

 

ジャジャーン!!!ドドドドン!!

 

 

 

 

 

曲が始まり照明が

舞台上を照らしだした。

 

 

 

 

リハーサルの時は

無我夢中で訳もわからず

踊っていたシティ子だが

本番では少し余裕があった。

 

 

 

 

 

(先生に注意された事を

 気をつけないと。)

 

 

 

 

 

移動や立ち位置の確認も

少しの余裕があったからか

うまく立ち回れていた。

 

 

 

 

 

(この時間が、この時間が

 終わらないでほしい。)

 

 

 

 

 

シティ子は踊りながら

そんな事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

音楽の終わりと共に

照明も暗転した。

 

 

 

 

 

それは、

 

シティ子のクラス作品が

終了した事を知らせていた。

 

 

 

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

 

 

 

会場が大きな拍手で

包まれていた。

 

 

 

 

 

 

舞台袖から舞台裏に抜けた。

 

 

 

 

その瞬間、みんなと

顔を合わせ喜びのあまり

抱き合っていた。

 

 

 

シティ子の緊張の糸が

プツン!と切れたのか

 

溢れ出る涙を止める事は

できなかった。

 

 

シティ子物語

 

 

(めっちゃめちゃ楽しかった!

 もう1回、踊りたいよー!

 そして、涙止まらない(笑) )

 

 

 

 

 

 

それから控え室に戻り

フィナーレの準備に

取り掛かった。

 

 

 

 

振付けをちょこちょこ

間違えてしまった

シティ子だったが

 

 

その瞬間も止まることなく

踊り続ける事ができたので

 

初めての発表会としては

上出来だ!と感じていた。

 

 

 

 

 

 

全ての作品が終了し

参加者全員が集まる

フィナーレが始まった。

 

 

 

 

そこには、

 

 

満面の笑みでメンバーと

フィナーレに出演する

シティ子の姿があった。

 

 

 

 

 

ラストの全員ダンスが

終了し発表会全ての

演目が終了した。

 

 

舞台の緞帳が下りて

発表会が終了した。

 

 

 

 

 

司「みなさん!お疲れ様でした!」

 

 

 

 

 

舞台上では出演者の

拍手が溢れていた。

 

 

 

 

 

(終わったんだぁ!

 みんな笑ってるぅ!

 私、泣いてるぅー!!!)

 

 

 

 

 

ホッとしたからなのか

シティ子の目からは

何故か涙が流れていた。

 

 

 

 

さぁ!いよいよ打ち上げだ!

 

 

シティ子物語

 

 

本番終了から慌てて

片づけをして会場を

後にした。

 

 

 

 

見に来てくれた家族と

友達に挨拶したかったが

また、後日にゆっくり

お礼を言おうと思った。

 

 

 

 

 

 

(私のダンスを見て

 どう思ったんだろう…。)

 

 

 

 

 

全てを出し切り

満足感たっぷりのシティ子。

 

打ち上げも思う存分

楽しんでいた。

 

 

 

 

 

シティ子のクラスは

全員での寄せ書きを

先生にプレゼント!

 

 

 

先生はそのサプライズに

泣いてくれていた。

 

 

 

 

 

ここでもシティ子は

思わずもらい泣き。

 

 

 

 

(今日だけで、3年分の

 涙を消費しました…(涙) )

 

 

 

 

 

その後は、

 

 

クラスのメンバーとも

他のクラスのメンバーとも

先生とも交流していた。

 

 

 

 

 

(自分と年齢の近い人が多くて

 居心地の良いスタジオで

 みんな良い人ばかりで

 本当にココに来てよかった。)

 

 

 

 

 

打ち上げを楽しむ中で

そんな事を考えていた。

 

 

 

 

 

あっという間に

打ち上げも終了し

 

 

シティ子にとっての

長くて長くて長い

密度の濃くて濃くて濃い

1日が終了した。

 

 

 

 

シ「お疲れ様でした!」

 

 

 

 

シティ子はみんなに

別れを告げて帰宅した。

 

 

シティ子物語

 

 

(明日有給取ってて

 本当によかった…。

 教えてくれた人に感謝だ…。)

 

 

 

 

家に到着するなり

足はベッドに向いていた。

 

 

 

 

(あーーーー!!!ほんとに!!!

 楽しかったぁーー!!!

 発表会出てよかったー!!!)

 

 

 

 

 

そう心の中で呟いたと

同時にシティ子の意識は

夢の中に消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

シティ子物語

↑『燃え尽きシティ子現る。』に続く。

 

 

 

 

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