「ダンスを始めると自分は生活は人生はどう変わるのか?」という、まさに、皆さんが知りたい【大人が未経験からダンスを始めたら一体どうなるの?】という疑問を形にした段心具シティ子の物語。【 緊張と感動と笑いの発表会!(中編)】を収録

『16. 緊張と感動と笑いの発表会!(中編)』|段心具シティ子の1年物語

シティ子はじめに

 

 

16. 緊張と感動と笑いの発表会!
(中編)

 

 

 

 

シティ子の出番は

16作品中8番目と

全体のちょうど半分。

 

 

 

 

(リハーサルは

 自分の出番以外は

 他の作品を見ようかなぁ。)

 

 

 

 

なんて、

 

 

会場に来るときは

考えていたのだが

 

 

そんな余裕が

今の自分にないことは

よくわかっていた。

 

 

 

 

 

(緊張する!!!手汗が…。

 まだ、リハーサルだけど…。)

 

 

 

 

 

作品の1番目は

先生作品から始まって

 

 

その後、色々なクラスが

順番に作品を発表する

という感じだった。

 

 

 

 

8番目だから

リハーサルが始まっても

 

気持ちを整理する時間は

あるだろうと

思っていたのだが、

 

 

思っていた以上に早く

作品は進んでいった。

 

 

シティ子物語

 

 

(え?もう5番目ですか?

 振り付け確認しないと…。)

 

 

 

 

自分の出番の2つ前には

『待機場所』に移動する

必要があるので

 

 

シティ子たちのクラスの

メンバーさんはみんなで

待機場所に向かっていた。

 

 

 

 

 

いつもはにぎやかな会話で

盛り上がるメンバーさん達も

静かに集中していた。

 

 

歩いている靴の音や

階段を下りる音が

鳴り響くぐらい

みんな沈黙していた。

 

 

 

 

 

(立ち位置・移動・振り付け。

 最初から復習しないと!)

 

 

 

 

 

舞台で踊っているクラスの

音楽がシティ子の元まで

しっかり聞こえていた。

 

 

 

 

先「さぁ、舞台そでで待機!

 しゃべるとお客さんに

 聞こえるから静かにね。」

 

 

 

 

 

先生の掛け声で

1つ前の待機場所である

『舞台そで』に移動した。

 

 

 

 

すぐ目の前では

前のクラスが舞台上で

ダンスをしていた。

 

 

 

 

 

演者にライトが当たり

明るく照らされ

ダンスしてるシルエットが

バックに映り

 

 

演者の表情もさらに

キラキラとしたものになり

 

幻想的な世界が目の前に

広がっていた。

 

 

シティ子物語

 

 

(みんな、すごいなぁ!

 私も、負けないように

 思い切り踊ろう!)

 

 

 

 

 

シティ子は決心した。

 

 

 

 

 

音楽がフェードアウトして

照明が一気に消されて

舞台上が暗転した。

 

 

 

 

 

前の作品が終わったのだ。

 

 

 

 

 

 

先「舞台に移動して

 立ち位置について!」

 

 

 

 

 

その声と共に

メンバー全員が

 

サササッと舞台に移動し

最初の立ち位置についた。

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

音楽が流れてシティ子の

作品が始まった。

 

 

 

 

 

 

あっという間の出来事だった。








無我夢中とは


まさに、こういうことを


言うんだと感じたぐらい


周りが見えなかった。








(何が何だか…とりあえず


 思い切り踊れた気がする。)







自分の出番が終わり


最後のフィナーレも


無事に終わり


リハーサルが終了した。







(いやぁ!リハーサルで


 もう、お腹いっぱい(笑) )







後は、


本番を残すのみとなった。





 


先「ごめん。みんな集まって!」


 





本番前の休憩時間に


先生から招集がかかった。





 


先「最初に移動してから


 立ち位置がちょっと


 ずれてるから気をつけて。」






先「シティ子ちゃん


 右に寄りすぎるから


 気をつけて。」






シ「はい!分かりました。」


 






(リハーサルの記憶が


 あまりないのですが…。)







シティ子は心の中で


ボソッとつぶやいた。






 


先「もうすぐ本番だけど


 ここまで頑張ってきた事を


 全て出し切りましょう!」







先「間違えても気にせず


 止まらずに踊り切る!」







先「みんなと一緒にこの作品を

 踊るのも、あと1回だけだね。」

 

 

 

 

先「悔いのないように!

 それだけ、気をつけよう!」

 

 

 

 

 

 

先生の言葉にメンバー全員の

気持ちが高まった。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

シティ子の目には

キラキラ光るものが

溢れ出ていた。

 

 

 

 

 

(絶対後悔しないように

 思い切り踊ります!!!!)

 

 

 

 

そう心の中で宣言した。

 

 

 

シティ子物語

 

 

 

気がつけば

開場の時間が来て

お客さんが会場に

入って来ていた。

 

 

 

 

 

(お客さんが…来た…。

 リハーサルの時とは

 雰囲気変わるんだろうなぁ。)

 

 

 

 

 

 

(私を、見に来てくれる人が

 3人もいるんだから

 精一杯頑張らないと!!)

 

 

 

 

 

控え室ではみんなが

慌ただしく準備に

取りかかっていた。

 

 

 

 

笑顔で話しをする人や

最後の最後まで

練習している人。

 

 

 

 

着替えの準備を入念に

チェックしている人や

ストレッチをする人。

 

 

 

 

 

色々な状況の人が

いるけれど、

 

 

 

 

みんなの気持ちは

 

「発表会を楽しんで!

 無事に終わらせて

 最高の発表会にしよう!」

 

 

 

というもので

統一されていた。

 

 

 

 

 

 

(あー!あと5分で始まる!

 誰か私の手を握って(涙) )

 

 

 

 

 

本番までの5分が

シティ子にとっては

1時間に感じるぐらい

重くのしかかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ブーーーーーーーーッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

開演時間を知らせる

ブザーが会場中に

鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

そうして、

 

 

 

スタジオダンシングシティ

発表会が幕を開けたのです。

 

 

 

 

 

 

 

シティ子物語

↑『緊張と感動と笑いの本番!(後編)』
に続く。

 

 

 

 

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